歳をとってくると飛距離は落ちるけど、年代によってどれくらい飛距離はおちてくるの?
年齢を重ねると、どうしても筋力や体力が落ちてくるのは誰でもが経験することです。例えば、若いころは階段を平気で上がれたのに、最近では「階段を上るのがきつい」と体力の衰えを感じるのは当然のことです。
同じように、ゴルフでもドライバーで若いころに飛ばしたところまでボールが届かなくなるのは当然です。

それに合わせたプレースタイルでスコアを維持向上させないとゴルフがつまらなくなってしまいます。
ここでは年齢と飛距離について解説します。
歳をとると飛距離が落ちるのはなぜ?
歳をとると飛距離が落ちるのはなぜなのでしょう。
飛距離が落ちる原因は何なのでしょうか。
人によって落ち方には違いがある
加齢によって飛距離は落ちますが、人によってその落ち方は違います。飛距離が急激に落ちる人もいますし、少しずつ落ちてくる場合もあります。

急激に落ちた場合は気がつきやすいですが、徐々に落ちてきた時は自分でも気が付いていないことも多いのです。
また、若いころに飛ばし屋だった人は距離の落ち方が大きくなりやすいですが、平均的な飛距離だった人はそれほど大きく落ちてこないこともあります。
飛距離が落ちてくる原因
ヘッドスピード
飛距離はヘッドスピードとミート率で決まります。そして加齢で最も影響を受けるのはヘッドスピードです。
ミート率
もちろんミート率も落ちてきます。ミート率はどれだけ芯でボールをとらえられるかがポイントですが、インパクト後にヘッドスピードがどれだけ落ちないか、という「ボールの押し込み力」も大切です。歳をとってくると、体が固くなり、インパクト後のスイングアークが小さくなります。するとボールを押し込む力が弱くなるので、ミート率も落ちてきます。
実際にどれくらいドライバーの飛距離はおちてくるのか
加齢によって飛距離が落ちるのは確かですが、実際にはどれくらいの距離が落ちてくるのでしょうか。それは年代によっても違いますし、若いころの飛距離によっても違っています。
飛距離はヘッドスピードとミート率によって変わってくるので、年代別のヘッドスピードがわかれば飛距離の概算がわかります。
一般的なヘッドスピードの違い
ヘッドスピードは性別の違い、経験の度合いによって変わります。
男子プロゴルファーが最も速いヘッドスピードで、女子プロと男性の一般アマチュア、女性の一般アマチュアという区分になります。そして、それぞれのヘッドスピードの概算値は以下のようになります。
PGAツアー(米国)のプロ : | 47~58m/s |
日本の男子プロ : | 45~52m/s |
日本の女子プロ : | 40~44m/s |
一般アマチュア(男性) : | 38~43m/s |
一般アマチュア(女性) : | 30程度~38m/s |
出典1:https://golf-gakko.com/headspeedaverage-7259 リンクはこちら
出典2:注)一般アマチュア(女性)のデータは現役のシニアツアープロの梶川武志氏が経営するゴルフスクール「KKGA」で測定したデータです。https://kkga.jp/ リンクはこちら
ミート率の違い
プロのミート率は1.5に近い数字になりますが、アマチュアの場合は1.25前後のミート率です。
飛距離の違い
すると男性の一般アマチュアの飛距離は190~230ヤード程度になります。
このようにこのヘッドスピードとミート率がわかると、おおよその飛距離が計算できます。その式は
(ヘッドスピード)x(ミート率)x4=飛距離
となります。
年代別のヘッドスピードの違い
ヘッドスピードは年代によって違っています。年代によるヘッドスピードの差に関するデータはあまり多くないのですが、ある米国の記事によると以下のような違いがあります。、
13~18歳(Teenagers) : | 32~40m/s |
19~30歳(Young adults) : | 40~47 m/s |
31~50歳(Middle-aged adults): | 38~44.7m/s |
51歳以上(Seniors) : | 31~38 m/s |
出典:https://medium.com/@thegolfhype.com/understanding-the-average-swing-speed-by-age-a-comprehensive-guide-bcfc6c982c4d リンクはこちら
年代別の飛距離の変化の比率
他のデータも参考にしながら、ヘッドスピードの変動を数値化してみると、30歳代までを最大値100とすると
- 50歳程度で90%
- 60歳程度で86%
- 60歳を超えると80%
程度まで下がってきます。そして70歳位までには65~70%に下がってきます。
ヘッドスピードから換算した年代別飛距離の具体例
年代別のヘッドスピードの減少を説明しましたが、この比率を若いころの飛距離をベースに考えるとわかりやすくなります。
例えば、30歳頃に240ヤードを飛ばしていたとしましょう。すると、50歳位になると90%で216ヤードまで飛距離は落ちます。更に60歳になると206ヤード、70歳では168ヤードまで飛距離はおちてしまいます。
ドライバーの飛距離をできるだけ維持する方法
歳をとってきてもドライバーはできるだけ飛ばしたい、と思うのは当然です。どのようにしたら飛距離の落ち方を少なくできるのでしょうか。
歳をとってきたらヘッドスピードよりミート率を上げることで飛距離を維持した方がよい
ヘッドスピードを維持するためには、かなりトレーニングを積まなければなりません。しかし、トレーニングをしているプロゴルファーでもシニアになるとヘッドスピードはかなり落ちてしまいますし、全盛期のヘッドスピードが速いだけに、プロの方が加齢による落ち方は大きいかもしれません。
ストレッチで柔軟性を維持し、ミート率を維持する
ミート率は体が固くなると、ボールを芯で捉えられなくなったり、押し出す力が弱まってしまいます。しかし、ストレッチを行うことで柔軟性は維持しやすくなります。筋力を維持するトレーニングより、ストレッチの方が継続性も簡単です。
芯に当てることを優先して練習する
一方、ミート率の悪化はヘッドスピードの落ち方より緩やかですし、練習をきちんとしていればミート率を以前より上げることもできます。若いころは力まかせでスイングをしていたのを、力を入れずに芯に当てることを優先して練習してみてください。
クラブの仕様を身体に見合ったものに変更する
若いころに使用していたスペックをそのまま使用すると飛距離は間違いなく落ちてきます。筋力や柔軟性の低下をクラブに助けてもらおうという発想です。
シャフトの硬さやロフト角を変更する
例えば、シャフトの硬さをSからSRやRに変更すると、シャフトがしなるのでヘッドスピードの落ちをカバーできます。ロフト角も9.5°だったのを10.5°に変える、といった変更も必要です。
先調子のものにする
さらにシャフトがしなる位置も先調子のものに変更すると、インパクトでしなりを効かせやすくなります。
まとめ
歳をとってくるとドライバーだけでなくウッド、ユーティリティー、アイアンの飛距離は間違いなく落ちてきます。ドライバーの場合は、飛距離がおちてきていることを実感しやすいのですが、意外とアイアンの飛距離ダウンを認識できている人は多くありません。
ウェッジなどフルショットをあまりしないクラブを除いて、すべてのクラブで飛距離は落ちてきます。しかし、決して見栄にとらわれることなく、適切なクラブ選択ができるように、冷静に自分の飛距離の把握をするようにしてみましょう。