あなたはドライバーのシャフトは長い方が良いと思い込んでいませんか？
確かに長い方が飛距離は出やすくなりますが、長ければ良いというものでもありません。
この記事ではドライバーのシャフトの長さと飛距離やゴルフスコアとの関係、初心者におすすめのドライバーの長さについて分かりやすく説明しましょう。
シャフトの長さが影響する飛距離と安定性
シャフトが長くすると大きなメリットがあります。一方、長くすると大きなデメリットも起きてしまいます。自分の打ち方と理想とするボールの関連性を理解して決めるべきです。
初心者は短めのドライバーが良い
結論からいうと、初心者は短めのドライバーの方が良いのです。なぜなら初心者はスイングが安定していないからです。
「初心者は飛ばないから飛距離を出しやすい長めのドライバーを選んだ方が良い」という勘違いをしている人が多くいます。
長めのクラブは遠心力が大きくなるので飛距離が出るのは事実ですが、ヘッドのコントロールや安定したスイングが難しくなります。
つまりミスショットが増えてしまいます。
長尺ドライバーと短尺ドライバー
ドライバーにはノーマルな長さのドライバー以外に、長めの長尺ドライバー、短めの短尺ドライバーが販売されています。それぞれにはメリットとデメリットがあります。
長尺ドライバーのメリット
シャフトが長くなるとヘッドスピードが上がり、飛距離がアップします。
シャフトの長さが1インチ（約2.5cm）長くなると、ヘッドスピードは1m/s増加して飛距離は5ヤード程度伸びます。更に長い分、シャフトの重量も増えるので飛距離が伸びる要因になります。
短尺ドライバーのメリット
一方、短尺ドライバーはヘッドスピードが落ちますが、短い分コントロールが容易になってミート率が上がります。また、振り遅れが起きにくいので、右に大きく曲げるミスが減ります。更にシャフトが短いので軽くなります。その結果、扱いやすいドライバーになります。
長いシャフトを使っても飛距離が伸びるとは限らない
このように長いシャフトにはメリットがあります。しかし、注意点があります。
ミート率が上がらなければ飛距離は落ちる
長いクラブを使ってヘッドスピードが上がっても、ミート率が上がらなければ飛距離は落ちてしまいますし、方向性のバラツキも大きくなります。ミート率はスマッシュファクターで数値化されていて、ボールの打ち出しの初速をヘッドスピードで割った数字になります。
スマッシュファクターの理想的な数値は？
スマッシュファクターの理想的な数値は1.50で、プロの多くは1.45～1.50の間の数値を記録しています。一方、アマチュアの数値は1.40が出ればよい方と言われています。
女子プロ選手が男性アマよりキャリーが出せる理由とは？
女子プロの平均ヘッドスピードは40m/s程度で男性アマチュアゴルファーと同じ程度ですが、230～240ヤードのキャリーを出せます。これにランを入れると実際の飛距離はもっとあるでしょう。男性アマチュアで同じヘッドスピードでもキャリーが200～210ヤード程度と言われているので、それだけミート率が悪いのです。
長いシャフトのクラブを使っても飛距離が落ちる場合がある
つまり、長いシャフトのクラブを使ってもミート率が悪くなれば飛距離は逆に落ちてしまいます。初心者が長いクラブを使うと、クラブのコントロールができないのでミート率を大幅に下げてしまいかねません。できるだけミート率を高められるクラブ選択をするべきなのです。
ドライバーのシャフトの適切な長さとは？
では市販されているドライバーのシャフトの長さはどれくらいなのでしょうか。また、どれくらいの長さが適切なのでしょうか。
シャフトの長さには規制がある
プロツアーやアマチュアの競技会などでは、2022年からクラブの最大の長さの規定が48インチ以内から46インチ以内に変更になっています（パターを除く）。
一般アマチュアはこの限りではありませんが、ドライバーのメーカーも長尺のドライバーの販売を自制するようになっているので、自分でリシャフトしない限り、長尺のドライバーは手に入らなくなってくるでしょう。
プロゴルファーが使っているドライバーのシャフトの長さ
プロゴルファーが使っているドライバーのシャフトの長さは45インチが主流です。次に多いのが45.25インチで、松山英樹選手もこの長さです。石川遼選手も一時は47インチのドライバーを使っていましたが、最近は45.75インチのクラブを使用しています。
身長とシャフトの長さの関連
身長が大きい人は長いシャフト、小さい人は短いシャフトとの考え方もありますが、基本的にはその人のスイングの形によって変わってきます。
縦振りの人は短め、横振りの人は長めのシャフトを選択すると良いでしょう。
ライ角も大切
もう一つ気にしたいポイントはライ角です。ライ角とはソールを地面に平行にしたときの地面とシャフトの角度のことです。
シャフトが長いとクラブ全体が寝た形になります。するとソールの先端部分が浮いた形になり、フックや引っ掛けが出やすくなります。
これは構えの前傾姿勢の強さやハンドダウンの度合いによって調整ができますが、自分に合わないアドレスになるとミスが増加します。シャフトの長さによってライ角も気にしておくと良いでしょう。
ライ角を調整できるドライバーも増えている
最近、「ガチャガチャ」という調整機能のついたドライバーも増えています。これで調整するとロフト角やフェース角だけでなく、ライ角をアップライトやフラットに変更できます。
まとめ
プロもミートを重視している人は短めのドライバーを使用しています。だからといって飛距離が大幅に落ちるわけではありません。それよりも安定性が高まるので、自分の狙い通りにボールを運べます。
初心者は飛距離よりも安定性を重視した方がゴルフを楽しめます。それでも飛距離が気になるなら、非公認ですが高反発のヘッドを搭載したドライバーを選んでみても良いかもしれません。
