ゴルフのビギナーは「自分は下手なので同伴者や他の人に迷惑をかけてしまうのではないか」と不安になります。どんなゴルファーでも最初の内はラウンドに慣れていないため、焦ってしまう場合も多いのは確かです。
しかし、心配したり不安になりすぎる必要はまったくありません。
最低限のことさえ守っていれば、迷惑をかけることはありません。また、同伴者も協力をしてくれるはずです。この記事では、ゴルフ初心者がコースデビュー、ラウンドデューをする際、どのような点に気をつかっておけばいいのか、ゴルフ歴40年のベテランが分かりやすく紹介します。
ビギナーがラウンドで他人に迷惑をかけないために気を使っておくポイント
ゴルフはプレーをするためのルールがありますが、これはかなり多岐にわたるので、すぐにすべてを覚える必要はありませんし、ラウンド中に同伴者に教えてもらえばよいのです。ではどんなことに注意をしておけばよいのでしょう。
スロープレー
通常のラウンドではハーフ(9H)を2時間20分~30分程度で終えるのが普通です。ゴルフ場によっては2時間10分以内でラウンドするように依頼しているところもありますが、現実的には難しいかもしれません。
通常、スタートは7分間隔に設定されているので、ハーフの最終ホールで前の組がホールアウトしてから7分後に次の組がホールアウトできれば遅れはありません。しかし、8分後、9分後にホールアウトすると、どんどん時間が遅れてしまいます。つまり、大切なのは前の組との間隔が空かないことなのです。
スロープレーとはさまざまな要因から前の組から離れてしまう状態のことをいいます。スロープレーにならないように気をつけましょう。
ボールの行方の確認
飛距離は出るもののボールがあちこちにバラけてしまうような人は、自分のボールが飛んで行った方向、落下地点などを注視しておくことが重要です。
ビギナーの場合、あらぬ方向に飛んでいくと、ボールを最後まで追わずに悔しがっていることがあります。同伴者もショットの方向などを確認していますが、自分も最後までボールの行方を確認することが大切です。
最低限のルールは知っておく
全てのルールを覚えておく必要はありませんが、最低限のルールは知っておきましょう。例えば、各ホールの最初の一打はティーイングエリアという指定場所から打ちます。そこにはティーマークというマークが2つあり、その2つのマークを結んだ線より後ろでショットをする、といった基本的なことです。
もちろん、知らなくてもラウンド中に同伴者から教えてもらえばよいのですが最低限のことは知っておきましょう。
周囲の方も、教えてあげること自体は嫌がらないことがほとんですが、教えることばかりだと時間がかかってしまい、上記のスロープレーとなってしまうことがあります。
マナーを知っておく
迷惑をかけないために最も重要なことがマナーです。ゴルフに限らずマナーが良いと、相手も気分がよくなります。マナーには
- 同伴者や他のプレーヤーに気を使うマナーと、
- スロープレーにならないためのマナー
があります。両方に気を付ければ良いのですが、最初に意識すべきことはスロープレーにならないためのマナー。こちらを守ると同伴者だけでなく、後続の組にも迷惑をかけません。
スムーズにラウンドするコツ
同伴者もビギナーがショットで苦労するのはわかっているので、それについて迷惑だとは思いません。しかし、時間がかかって前の組と間隔が開いてしまうと、「急がないと」という気持ちでイライラしてしまいます。
スロープレーにならずスムーズにラウンドするためのマナーとコツがあります。ビギナーの場合はこのマナーとコツを実践するだけで迷惑をかけることはありません。具体的にポイントを紹介しましょう。
ティーイングエリアで
ティーショットの順番
ティーショットの順番は前のホールでスコアの良かった人から順に打ちます。ビギナーは最後に打つケースがほとんどでしょう。すると自分が打つ前に時間ができるので、どこに打ったらよいかなどをチェックしてください。
同伴者が打つ時の注意点
同伴者が打つ時は真後ろに立たたず、アドレスに入ったら話すのを止めて静止しましょう。
自分が打つときの注意点
自分のショットの際には素振りは1回ないしは2回程度にしてください。何回も素振りをする人がいますが、時間がかかるだけではなく、素振りでリキみが出てしまうこともあるので、軽い素振りが適切です。
また、アドレスをしてからテークバックを開始するまでに異常に時間がかかる人もいます。あまり長い時間をアドレスに使うと筋肉が固まってしまうので、練習のときから長いアドレスはしないようにしてください。
フェアウェーで
ボールの位置までは速足で
カートで移動してボールの近くで停止したら、ボールの位置までは速足で歩いていくようにしてください。のんびり歩いているとどうしても時間がかかってしまいますし、後ろの組が見ていると「さっさと歩けよ」という気持ちになります。
クラブを数本持っていく
フェアウェイ(ラフでも同じ)にはクラブを数本持っていくようにしてください。

ビギナーの場合、ボールがあまり飛んでいない可能性があります。何とか挽回しようとして長いクラブばかり持っていくと、またチョロをしてしまいます。確実に前に飛ばせる7番アイアン程度のクラブも持っていくと良いでしょう。
使わないクラブは自分の正面の見えるところに置いておく
ショットの時、使わないクラブは自分の正面の見えるところに置いておくことをオススメします。後ろや背後に置いておくと、クラブを置き忘れてしまう可能性があるからです。
アプローチではパター、ウェッジも持っていく
また、グリーン近くまで来て、アプローチでグリーンオンさせる時は、必ずパターも持参しましょう。また、サンドウェッジやアプローチウェッジもしくはピッチングウェッジなども持っていくとカートまで取りに戻る必要がなくなります。
グリーン上で
使わないクラブの置き場所
グリーンオンするとパターを使うので、ウェッジ類はグリーン周りに置いておくことになります。
このウェッジ類はグリーンの周りのカートに最も近い場所に置くようにしてください。

グリーンに上がってくる場所に置く人を見かけますが、カップインをした後に遠いところまで取りに戻らなければなりませんし、置き忘れの原因にもなります。
ライン読みでは傾斜に集中
テレビなどでプロは丁寧にラインを読んでいるシーンを見かけます。アマチュアもライン読みは大切ですが、傾斜に集中してライン読みをするようにしましょう。全体の傾斜を見ながらグリーンに上がってくるとライン読みが容易になります。
カートで
カートは後続の組のために早く移動させることがマナーです。例えば、クラブをバッグに戻し整理をしてから着席するゴルファーがいます。
なるべくクラブを持ったままカートに乗り、できるだけ早くカートをスタートさせ、次の停止位置にきたときにバッグに戻すようにしましょう。
まとめ
たくさん打ってしまうことは迷惑ではない
「自分は下手で何回も打たないとグリーンまで届かない」という思いから、「人に迷惑をかけるのではないか」と心配なりますが、たくさん打ってしまうことが迷惑なのではありません。
たくさん打つと時間がかかってしまいますが、それに対してのんびりと対応していることが迷惑なのです。
「スロープレー」にならない動き方さえ意識すれば認めてもらえる
「スロープレー」にならない動き方を知っていれば同伴者は気持ちよく対応できますし、後続の組に対しても気を使わなくて済みます。効率的な動きでゴルフを楽しんでください。