ドライバーはスライスが出やすいけれど、どうしたら改善できるの？
ドライバーはクラブセットの中でもっともシャフトが長いクラブで、コントロールも難しいクラブです。特に初心者にとって、ドライバーを使うとどうしてもスライスになってしまう、という人は多いのが事実です。どうしてスライスがおきやすいのか、どうしたらスライスを改善できるのか、スライスしないドライバーの打ち方を解説していきましょう。
（※記事は右利きをベースにして記載をしています）
スライスとはどんなボール
ゴルフボールの軌道にはストレートボール、ドローボール、フェードボールがありますが、スライスとはどのようなボールのことを言うのか説明しましょう。
スライスは大きく右に曲がるボールのこと
スライスは基本的に軌道が右に大きく曲がるボールのことですが、スライスには3つの種類があります。
- プッシュスライス：最初から右に飛び出して、さらに右に曲がっていくボール
- ストレートスライス：ほぼストレートに飛び出してから右に曲がっていくボール
- プルスライス：一度左に出て右に戻ってくるボール
この中で最も危険度が高いスライスボールはプッシュスライスです。
OBに行ってしまうリスクも高く、初心者に多い種類のスライスです。
フェードボールとの違い
スライスと同じように右に曲がるボールでフェードと呼ばれているボール軌道があります。フェードボールはスライスのように大きく右に曲がるものではなく、軽く右に曲がるボールのことをいいます。スライスはコントロールができませんが、フェードは自分のコントロール内に収まっています。
スライスがおきるのはなぜ？
スライスが起きる原因を知れば、それを改善する方法もわかります。ただ、人によって原因が違うので、自分のスライスが何に起因しているのかを知ることがとても大切です。まずスライスが起きる原因をいくつか紹介しましょう。
【スライスの原因１】アウトサイドインのスイング
アウトサイドインとはダウンスイングでクラブが外側から内側に入ってくる軌道になってスイングです。
このスイングをするとインパクトでフェース面が外側から内側に動き、ボールを横から擦るようになります。するとボールが右回転となり、右方向にボールが曲がってしまいます。
【スライスの原因２】フェースが開く
インパクトでフェースが進行方向より右に向いてしまっている状態を「フェースが開く」と表現します。逆に左に向いていると「フェースが閉じる」といいます。
スライスの場合、インパクトでフェースが開いた状態で当たり、スイングが進行方向に真っすぐでも、右への回転がかかってしまいます。
【スライスの原因３】ヘッドのヒール部分にボールが当たる
ヘッドの中心部分ではなく、シャフトに近いヒール部分にボールが当たるとスライスが出やすくなります。
スイング中の体の使い方でスライスは起きる
スライスが起きる原因を説明しましたが、具体的にどのような身体の動きからスライスの原因を引き起こしてしまうのでしょうか。いくつかの具体例を紹介します。
ヘッドアップ
初心者のみならず、経験者でも起きやすいのがヘッドアップです。
ヘッドアップとは打った直後のボールを見たいと思って頭が起き上がってしまう状態のことをいいます。また、ラウンドの後半、体の疲れから前傾姿勢が保てずに体全体が起き上がってしまうためにヘッドアップになることもあります。
ヘッドアップをすると、クラブフェースが開きやすくなります。
構えた状態で顔を目標方向に上げると自然にフェースが開いてくるのがわかるはずです。
振り遅れ
振り遅れとは手元の位置は最下点に来ているにも関わらず、ヘッドがインパクトの位置に来ていない状態です。すると、手元が最下点を通り過ぎてから、インパクトを迎えるのでどうしてもフェースが開きやすくなります。
体の開きが早い
飛ばそうと思うと、どうしても上半身に力が入りやすくなります。すると上半身のみが回転し、腰は正面を向いている状態になりやすくなります。
理想的なスイングは、腰は回転して、やや目標方向に向いていても、肩のラインは目標方向に対して平行になっている形です。
体が開くと手元は遅れて出てくるのでフェースが開きやすくなります。
トップの位置が不適切
体の捻転が少なく、トップの位置が浅いとアウトサイドインのスイングになりやすく、スライスボールが出やすくなります。
これは初心者に多く、ボールに当てたいという気持ちから十分に体を回転できなくなっているのです。
また、トップの位置が高すぎる場合もアウトサイドインのスイング軌道になりやすくなります。
左足への体重移動ができていない
ダウンスイングでは体重が右足から左足に移動させて、フィニッシュでは完全に左足に体重を移動させているのが理想的な形です。
しかし、右足に体重が残っているとアッパースイングになりやすく、フェースが開いたり、アウトサイドインのスイングになりやすくなります。
スライスの改善方法
初心者に多いスライスですが、何に注意をすれば改善できるのでしょうか。
改善方法は人によっても違いうので、一つの方法にこだわらず、いくつかの方法を試して練習してみるのが近道です。
胸の向きを意識する
インパクトで胸がボール方向に向いているかチェックをしてみましょう。ハーフショットのスイングで、インパクトのとき胸が正面を向いているかを確認し、徐々にスイングを大きくしていくと確認しやすくなります。
スイングを大きくしていくと力が入ってくるので、どうしても胸が打球方向に早く向きやすくなり、体が開いてしまうので、そうならないようにするのがチェックポイントです。
左肩を意識する
テークバックからダウンスイングに移る切り返しの時に、左肩から切り返しが始まらないように意識してみて下さい。
左肩の位置はそのままで、クラブを振り下ろす感覚になれば振り遅れが防止できます。
左目でボールを見るようにしてみる
人間は両目でボールを見ていますが、誰でも「利き目」があります。右目が左目のどちらかで物を認識し、利き目は右の人が７割と言われています。
スライスを改善したい場合、左目を意識してスイングをするとヘッドアップを改善できる可能性があります。
但し、打った直後のボールを無理に見ようとするとヘッドアップがひどくなる場合もあるので、あくまでインパクトを左目で見るという意識をもってください。
まとめ
いつもスライスが出る人はスイングフォームを改善する必要があります。
一方、突然、スライスが出始めた場合は、リキみなどが原因になっています。自分の癖やタイミングを理解しながら対応策を考えてみてください。
一人で対策するのが難しい場合には単発のゴルフレッスンなどに行き、フォームを見てもらうと客観的なアドバイスをもらうことができ、無駄な時間をかけずに効率よくスイングを改善することができます。
