ゴルフでの再現性の高いスイングやアプローチ、そしてパッティングに関する効果的なドリルやテクニックを見つけることは、多くのゴルファーが直面する課題ですよね。毎回安定したスイングや正確なアプローチを維持することは容易ではありません。逆に、良いドリルや練習法が見つかってスイングが毎回安定すれば、ゴルフのスコアも大幅に安定します。
この記事では、プロのゴルフコーチが、ゴルフで再現性の高いドリル7つをスイングからアプローチ・パターまでそれぞれ解説します。さらにドリルの再現性を高めるポイントもしっかり分かりやすく実践しやすいように解説します。
ゴルフで再現性が重要な理由
ゴルフで再現性が重要な理由は、同じリズムや同じ形でスイング出来ることが出球の安定に繋がり、スコアにも繋がってくるからです。
リズムがバラバラだったり、スイングの軌道が安定しないとどこにどのような球で飛ぶのかわからないといった状況になり、無意識に力んだりしてスイングの悪化に繋がってしまいます。
なぜゴルフに再現性が必要なのか解説していきます。
ゴルフは自然相手のスポーツ
ゴルフというのは、天候や風、気温などに左右されたり傾斜や林の中など自然を相手にしたスポーツです。
自然相手となるとその場その場状況に応じて、打ち方や球筋を考えなければならず、フルスイングが出来ないこともあるでしょう。そんなじょうきょうになったときには、普段から再現性の高いスイングをしていると、スイングの形を崩さず振り幅やフェースの向き、角度を少し変えただけで出球を変えることができ、大きなミスなく対応できます。
再現性の高いスイングが出来ていないと、自分のスイングの形を理解できていないことになり、例えば振り幅が変わると手打ちになってしまったり、リズムが悪くなりタイミングが合わなくなって、ミスショットに繋がります。
ゴルフはメンタルスポーツ
再現性の高いスイングが出来ていると、スイングに自信を持つことができ、プレーも迷いなく楽しむことができます。
ゴルフはメンタルによって大きく左右されるスポーツで、メンタルが弱くなるとどんなトッププレーヤーでもスイングにも影響してしまい、再現性の低いバラバラなスイングになってしまうでしょう。
再現性の高いスイングをしていれば、ある程度同じ球筋で打つことが出来るので、メンタルを崩すこともないですが、バラバラなスイングをしてどこにいくかわからない、ミスショットを連発してしまうとメンタルを崩しよりスイングを悪くしてスコアに影響が出てしまいます。

どんどん悪循環にはまってしまいます。
練習で上手くなったはずのスイングがコースで再現できない理由
ラウンド前日、練習場での練習は上手くいったのに当日コースに出たら上手くいかない、といった経験はありませんか?なぜこのようなことが起こるのかというと、練習場とコースでスイングが変わってしまっている、ということです。
なぜ練習場ではうまくできるのにコースではできないのか、ここからはそれらの原因について解説していきます。
練習不足
まず、真っ先にあげられる原因は練習不足です。
どんなスポーツももちろん練習しなければうまくはなりませんが、ゴルフも同様で練習しなければ本番は上手くいかないですし、練習で出来なければ本番ではまずできないでしょう。
練習不足=練習していない、頻度が少ないと思いがちですが、毎日練習していても練習の方法が間違っていたり練習の質が悪いと練習場は上手くいくのにコースで上手くいかない、ということに繋がってしまいます。
それでも圧倒的に練習不足なのは、ラウンドの前日やラウンドの予定があるからちょっと練習しよう、という感じで練習して本番上手くいかないという方でしょう。
体幹で支える力、体の柔軟性、回旋性がそもそも不足
練習不足のところでも出しましたが、練習の質や練習方法、意識する点が間違っていてはどれだけ練習して上達したと思っていてもコースで上手くいかないことが多いです。
再現性の高いスイングが出来ない人は、体幹が弱く軸がブレていたり、体の柔軟性が無く肩の回転や腰の回転、捻りなどの可動域が狭く、体の回転力がなくなり手振りになっている可能性が高いでしょう。
ただただからだを回転させても軸がブレていては意味がないですし、体が柔らかいだけで手振りになっていても意味がないので、再現性を高めるためには体幹、柔軟性、回旋性(回転力)の3つが必要となります。
時間帯・気温・場所・景色などが違う
打ちっぱなし練習場と現実のゴルフコースで特に大きく違うのは、景色と足場の形状ではないでしょうか。
練習場ではマットのおかげでまっすぐ構えることができるし、常に平らなところで打てるのでストレスなくスイングが出来ます。
一方で、コースでは平らなところは少なくボールと身体の高低差があったり、目標に対してまっすぐ構えることが難しかったりします。
さらに、練習場では一定の景色なので視野に惑わされずボールに集中してスイングできますが、コースでは打つ度に景色が変わり、目標への高低差も変わるので、意識が散漫になりスイングがバラバラになってしまいます。
グリップ・スタンス・アドレスが安定していない
練習場と景色などが違うだけで上手く打てなくなるのと同様、グリップ・スタンス・アドレスが安定しないと再現性が低くなってしまいます。
練習場では焦ることもなく落ち着いて出来ることや、練習だからミスしても次打ち直せるという心理状態にあり、漠然と握り構えてスイングをしてしまいがちです。
ですが、練習場の段階から握り方や構え方を意識して同じ形を作っていかないと、コースではなかなか難しくなり、再現性は損なわれるでしょう。
ゴルフで再現性の高いドリル7選
ここまで再現性が低く、練習場では上手くいくけどコースでは上手くいかない原因についていくつか解説してきました。
わりと原因は初歩的なことだったりちょっとした考え方や練習法で克服できる部分もあります。
ここからはいくつかポイント別に再現性を高めるドリルについて解説してくので、あなた自身の原因と思われる箇所のドリル参考にしてみてください。
グリップの再現性を高めるドリル
まずはグリップです。握り方が毎回異なるとスイングの軌道やフェースの向きなどにも影響を与えてしまい再現性は下がります。
ルーティンを決めて毎回同じ流れで握るようにして、構えた際に見える左手の形右手の形が同じになるようなにか目安を作って安定させましょう。
たとえば、打ちたい球筋によって目安は異なると思いますが、
- 左手のナックルが1つ~2つ見えるように、
- 右手は親指が真上に、
などと目で見て確認できる部分を決めてあげると、安定した再現性の高いグリップになるでしょう。
スタンスの再現性を高めるドリル
打ち出す方向への影響が出るスタンスの再現性を高めるには、グリップ同様ルーティンを決めることです。
ルーティンの例を挙げるとすれば、
- はじめは足を閉じてボールとの距離が決まったら
- 右足左足と順に毎回同じ間隔で開いく
というふうにすると再現性の高いスタンスを作れるのではないでしょうか。
また、それぞれ確認ポイントは変わりますが、つま先の位置や足の向きがあっているかなど打ちたい球筋や方向に対して、何も考えずにスタンスをとるのではなく、毎回同じスタンスになるよう確認ポイントを作ってスタンスをとってみると良いでしょう。

そもそも練習の時に一打一打、打ちたい球筋や方向をしっかり決めて振ることですね。
アドレスの再現性を高めるドリル
グリップやスタンス同様、アドレスの再現性も打ち出し方向や球筋によって確認ポイントや形は異なりますが、毎回確認してアドレスを作るという事が非常に大事になります。
前傾角度が同じか、膝の曲げ方が同じか、肩・腰・膝・つま先の向いている先が平行になっているか、腕の伸び方や体と手の距離、クラブの角度と確認するポイントは様々です。
動画や写真を撮って客観視することでズレに気付けて修正に繋げられますし、撮った写真や動画ラインを引いて向きなどを確認するのも良いでしょう。
スイングの再現性を高めるドリル
次にスイングの再現性です。グリップやアドレスと違って動きを同じにするのは非常に難しいですが、スイングの再現性が高くなれば必然とショットも安定してスコアに繋がります。
ドリルとしてはスイング全体を意識するというよりは、
- バックスイング、
- ダウンスイング、
- フォロースルー、
- フィニッシュ
と部分的に意識して、「どうしたら体と腕が連動しスイングプレーンに沿ったスイングが出来るか」を確認していくと良いでしょう。
フルスイングだけでなく小さなスイングから初めて徐々にスイングを大きくしたり、練習場のマットの線やスイングプレーンを安定させるためにクラブやボールを置いてスイングするのも効果的です。
ティーショットの再現性を高めるドリル
コースでティーショットで再現性が低くなる一番の原因は、向きが合っていないことです。
ティーグランドの形状やティーマークの向きは正確に目標方向(フェアウェイの真ん中やグリーン)に向いているとは限りません。
目標や狙いに対してボールの後方に立ち方向を確認して、ボール近くに目標と結んだ目印を作ってその目印にクラブの向きを合わせてアドレスを作ることで、ティーマークやティーグランドの向きに惑わされずに構えることができます。
アプローチの再現性を高めるドリル
アプローチが上手くいかない方の特徴は、バックスイングを距離に対して大きく上げてダウンスイングからインパクトに向かって減速したり、インパクトで止めたり緩めてしまうことです。
また、手首を使う人もミスショットが多くなるので、基本的には構えた際の手首や腕の三角形をキープして体と腕の連動で振り子のようにスイングしていきましょう。
バックスイングよりフォロースルーをしっかり出すようにして、距離をスピードではなく振り幅で合わせていくとアプローチは再現性が高くなり簡単になります。
パターの再現性を高めるドリル
パターの再現性もアプローチ同様、振るスピードやインパクトの強弱ではなく振り幅で覚えることがよいでしょう。
「このぐらいの振り幅ならこのぐらい転がる」、などと一定のスピードと振り幅で覚えていくと大きなミスは減っていきます。
また、スイングプレーン同様、フェースの向きや通り道がズレていては意味がないので自宅などで練習する際はクラブやスティックを使って手首を使わずまっすぐ引いてまっすぐ出す練習をしていきましょう。
ドリルの再現性を高めるポイント
ここまで紹介してきたドリルに限らず再現性を高めるには客観視して確認することが大切です。
自分ではやっているつもりでも全然違う動き方をしていたりと見てみないとわからな部分がゴルフは多いです。
一つずつ丁寧に意識しながら取り組んでいくことと、同じ動きを反復して何度も何度も意識してやっていくことで身に付きます。
ここからはこれらのドリルをやっていく際に、より再現性を高めるために大切なポイントをご紹介していきます。
素振りをたくさんやることは重要?
まず、素振りはとても重要です。
「素振りで出来るけどボールがあると出来ない」といった方が多いと思いますが、素振りで出来なければ本番でも出来ないのでまず素振りで出来るようになることが大切です。
フルスイングだけでなく、ハーフスイングやゆっくりと動かしてみたり、部分部分鏡を見ながら確認などやり方は様々です。
スイングプレーンを安定させるための動きや形を意識しながら素振りをすることはもちろんですが、スイングスピードを上げるためにも素振りはとても重要なので、毎日素振りをするだけでも上達に繋がると言えるでしょう。
意識するべき点
意識するべき点は、正直なところ人それぞれ抱えている課題や悩みが異なるのと同様に異なってきます。
ただし、多くの方に共通する再現性を無くしている原因は
- 体が使えていないこと や
- リズムが悪いことでスイングプレーンがバラバラなこと
ですので、腕と体の連動を意識して小さなスイングでゆっくりとしたリズムから初めてみてください。
練習時間や回数・期間
練習時間や練習回数、期間に関しては明確に数字でお答えできません。
人それぞれゴルフの練習に使える時間はバラバラでしょう。
球を打てなくても素振りをするだけでも良いので、練習に使える時間をフルに使って出来るだけ間隔を開けずに練習をするほうが身に付きますし忘れにくいです。
どうしてもゴルフは非日常的な動きで、普段使うことの少ない体の左サイドを使うスポーツなので、なるべく毎日ゴルフの動きをする方が上達に繋がり、再現性も高くなっていきます。
ドリルが正確にできているかをセルフチェックする方法
ドリルが出来ているかどうか、意識していることができているかどうかを自分でチェックするには動画にとって客観視するのが最適でしょう。
お手本となるプロのスイング動画などと比較したり、2つの動画を並べて同時に再生して見比べたり、動画にラインを引いたり点を打ったりして動きを確認するのも良いでしょう。
鏡で動きを確認するのも大事ですが、実際に球を打った際にできていないと意味がないので、動画にとって自分で見てみることをオススメします。
コースで再現できなかった時に見直すべきポイント
何が出来なかったか、どんなミスが多かったかを把握して練習場との感覚やルーティンが変わっていないか同じ意識で出来ているかをまず確認しましょう。
練習場と違って早打ちになっていないか、大振りしすぎていないか、向きの確認を怠っていないかなど一つずつ原因を考えていくと自分がいつも何が原因で再現性を無くしているかが見えてきます。
焦らないことが大事になってくるので練習場のように落ち着いて丁寧にスイングしていきましょう。
まとめ
本当にゴルフスイングの再現性を高めるドリルと、それはどのように行われるのかについて、解説しました。
ゴルフスイングの再現性を高めるためには自分のスイングや癖を知ることが大切です。
知ったうえで、改善点や意識すべき点をあげていき、焦らず一つずつ確認してスイングを安定させていきましょう。
素振りで出来ないことは本番で出来ないし、練習場で出来ないことはコースでも出来ないので基本を大事に丁寧にやっていき再現性の高いスイングを目指していきましょう。